満ち足りない月





席を立ったセシルを次に案内してくれたのは食事部屋だった。

部屋の中央には長い机と共に、その色と同じスラッと痩せた椅子が数脚ある。



元々この屋敷は電気が使えるらしい。

何故使わなかったのか、と試しに聞いてみると雰囲気のためだという言われた。

全くこの男は一体何がしたいのか……。


ただ、単純に人を怖がらせるのが好きなのだろうか。


多分この男なら十分有り得る。