男が寝ていたベッドの横にまたたびが入ったお皿がおいてあったのです。 男は化けねこがずっと自分を助けてくれていたことに気づいていたのです。 化けねこはくる日もくる日も泣きつづけました。 「おしまい」 そう物語を締め括るとふうと息を吐いたセシル。 「悲しいお話ですね」 レイルが俯きかげんに感慨深げに口を開いた。 「ええ、でも化け猫が本当に可愛らしくて、もうちょっと面白いいたずらをしたりして悲しいのは最後の場面だけだったんだけど…」