言葉に詰まった。
自分を否定されたような、そんな風に感じてしまった。
私、何かいけない事を言った?
いや、でもなんで私が気を使わなくちゃいけないの。
関係ないわ。
「ここが書斎だ」
ラルウィルは振り返り、扉を開けた。
部屋の中は明るい。
それに広かった。
部屋の正面にある大きな机は何やら資料等が積み上げられているらしく、軽く散らかっているが、ほかの所は至って綺麗だった。
しっかり整理してある。
廊下の汚さは一体何なのかしら?
セシルは思った。
両脇の壁には本棚が並べられていて、その本の多さは全て数えていたら目が回りそうな程だった。
すごい数…
セシルは呆気にとられた。
こんな本、全部読んだのかしら?
セシルだって本は好きだ。
特に小説や、有名な学者の論文などは何時も読んでいた。
でも流石にこれは…
「まあまあ座って」
ラルウィルは愛想良く、机の前にある渋い色をしたブラウンのソファーに手を置いた。



