あの人がこの笑顔にさせたんだ。
そう思うと何だかそれが誇らしく思えた。
自分の好きな人が優しい人だという事がこんなにも温かで嬉しい気分にさせてくれるんだ。
セシルは自然と笑みを綻ばせた。
「そんなことがあって、僕はラルさんを兄のように慕いました。もともと友達もいなくて本ばかり読んでいた僕にとってラルさんは唯一の理解者になってくれました。だからそんな僕を察してウルベ様は時々この屋敷へ連れて下さるんです。理由はそれだけじゃないと思いますが」
レイルの横顔を見ながらセシルは静かに言った。
「優しい方ね」
レイルはセシルの顔を見ると「はい」と嬉しそうに笑った。
すると、ふと思い出したようにセシルが言った。
「そう言えばウルベは化け猫よね?それなのに何でラルと昔からの知り合いなのかしら」
不思議そうに言うセシルを見て、レイルは立ち上がった。



