満ち足りない月





ラルウィルは目を丸くしてウルベを見つめた。


ウルベの口が静かに動く。



「お前の母親イリアに、だよ」




―――…




「僕、案外ビリヤードとか得意なんですよ」


「そうなの?それは是非お相手願いたいわ」



カチャカチャと食器同士が重なる音がキッチンに響く。


泡塗れの皿をセシルは持ちながら得意げに言った。



先程から二人は何気ない会話をしていた。


何が好きで、何が嫌いか、そんな普通の会話はセシルにとって大きく失われていたもので、やはり人間同士、話しやすいのか話題も弾む。


"人間"ではないこちらの者達はなかなか変わっているからだろう。