満ち足りない月





「もう遅いんだ」



ふう、と深く溜息のようなものを出すと、少女は側にある花に視線を変えた。


「……全く、こうも似ているとはな」



花が風に揺れて、首がそっと動く。


ラルウィルは真っ直ぐにウルベを見つめ、そしてふっと表情を緩めて笑った。


「俺は父とは違うさ」



「同じ事だ」


ウルベが声を遮るように低く言った。


ラルウィルの緩めた表情が硬くなる。



「あの娘も同じだ。よく似ている」