満ち足りない月





ラルウィルは水がなくなったのを確認すると、ゆっくりと後ろに振り向いた。

うっすら口の端が笑みを浮かべている。


「それが、それだけなんだよ。ウルベ」




風が一瞬、二人の間を横切った。

互いの髪が少しばかり揺れる。



短い沈黙が続いた。

両者が見つめ合いながらいると、ふいにフン、と鼻を鳴らしながら上目でギロリと鋭い目付きをするウルベ。


すると、重々しい口調で言った。


「それが正しい道なのかどうか、しっかりと自分の目で確かめろ。所詮、異種族同士の愛など結ばれはしない」



「ああ、分かってるよ」


ラルウィルが悲しそうに笑う。


「それは十分分かってる。ただ…」