満ち足りない月





セシルは目尻を下げ、優しい顔になった。


大切な人なのだという事が凄く伝わってきた。


それで主従関係のような二人なのね。

この子はそれを苦と思っていなくて、彼女への忠誠は彼女への感謝。


"命の恩人"か…



レイルには救ってくれる人がいた。


私にも…

私にもただ一人だけいたのに。



『じゃあこれからそう呼ぶ事にする、よろしくセシル』


ただ一人だけ。