満ち足りない月





黙々と、二人は机の片付けをしていた。

少年は先ほどのラルウィルとの会話とは違って全く何も喋らない。

セシルは後の二人が使っていた皿も重ねてトレイに置きながら、ちらっと横目でレイルを見た。


やっぱり普通の少年よね…

自己紹介なんてしたものの、本当に聞きたい事は聞いてないわ。


セシルは思い切って聞いてみる事にした。


「ねえ、突然で失礼な事を聞くのは承知ななだけど……貴方達二人は人間なの?」



すると手は止めず、レイルは少し笑みを漏らした。



「そうですね、そちらの"紹介"はまだしていませんでしたもんね」


そう言うとレイルはこちらに向き直った。



「僕は人間です」