満ち足りない月





「まだ減らず口が直らんようだな」


そう言って不機嫌そうにしている少女を見て、ラルウィルはあははっと声を出して笑った。


「あいつ、また何か言ったのか?」



「この娘から聞いたまでだ」


そう言うと少女は横目でセシルを見た。


ラルウィルはセシルに視線を移すと「なるほどね」と考えるように静かに言った。



しまった、ラルウィルには秘密だって言ってたのにバレちゃった……?


思わず眉を引き攣るセシル。



そんなセシルを余所に、ラルウィルは突然言い出した。


「そう言えば、まだ紹介が済んでいなかったな」


本当に今更だ。

食事も丁度全員終わっていた頃だった為、タイミング的には丁度よかったのだが。



いきなり少年が席を立った。


「申し遅れました。僕はこちらのウルベ様の付人をしております、レイルと言います」


丁寧な口調でお辞儀をするレイルはまるで慣れているようだ。