「どうしたんですか?危ないですよ!」
心配しているセシルを余所にリュエフはははっと笑った。
「いやあ、普通に扉から入るよりこっちの方が面白いやん?」
いたずらっぽい表情を浮かべると、リュエフは開けられた窓の上にしゃがんだ。
目線がセシルよりも少し低くなる。
面白いってほんとに変わった人だなあ。
セシルはあっけにとられながら目の前にいる青年を見た。
するとリュエフは笑うのを止めるとしっかりセシルの目を見ながら言った。
「もう仕事があるさかい、おいとまするんやけど……ちょっと最後にエルちゃんに聞いとこ思てな」



