満ち足りない月





「けど、その野性の直感は外れた」


リュエフの視線がセシルへと上げられる。

心臓がドキリと跳ねた。



「最初の第一声は最悪やったで」

そう言ってリュエフは思い出すように、ははっと笑った。





――――…




「ここは子供の来るとこじゃねぇんだよ」


上から突然冷たい声が降ってきた。

しかしそれは幼く、リュエフ自身とそうは変わらない声色で、

お前やって子供やないか


リュエフは怪訝悪そうに思った。



いきなりの声にリュエフは驚きよりも先に不快を感じる。