満ち足りない月





「まあ今日は手紙というよりいつもの配達物を持ってきてるんやけどな」


ははっと軽い笑いを含みながらリュエフが言った。

へえ、とセシルが頷く。


――そうか。仕事でここに来たのね。

セシルはようやく重りが取り除かれたような気がした。


ふう、と一息ついているとラルウィルが小さく笑った。


「配達物なあ。確かにそうかもな、お前の職業的に言うと」


「?」

セシルが訳が分からずきょとんとした。

そんなセシルに気付いたのかラルウィルはニヤッと笑って言った。

「血だよ、血」

手首をセシルに向けてとんとんと人差し指で指した。


「血?血を配達してもらっているの?」