満ち足りない月





―――…



「えっ郵便屋?!」


「ああそうや」

リュエフは口元を緩めると紅茶を一口飲んだ。


せっかく久しぶりに会っただろうから気を利かせて出て行くつもりがリュエフに誘われてそのまま食事室で二人と共にお茶をする事になったセシル。

初対面だというのにリュエフと話すのは何だか気が楽で、セシルはまるで昔馴染みの友達のように話した。


リュエフは昔っからのラルウィルの友人だそうだ。

両親や兄弟もいないらしく、一人で首都に暮らしているらしい。


首都…

セシルはその話を聞いた時に彫刻や白いタイルでできた白い街を思い出した。


美しい街。
そこにあの人達はいる。


そう思うと何とも言えない気持ちがこみ上げてきたのだった。