ラルウィルは花を見つめているエルを見つめた。
『これ全部貴方が育てたの?』
そしてフッと頬を緩めると、口を開いた。
「約束したからなあ。この庭に花が絶えないように、と」
強い風が通りすぎ、屋敷の周りにある森たちが大きくざわついた。
ラルウィルはいつの間にか乾いてしまった葉に気付くと、「そうだ」と声をあげた。
「もう朝を過ぎたな。ランチにでもしましょうか?」
ラルウィルはまるでかかりつけの執事のように丁寧に手を差し出した。
「もちろん」
エルはふふっと笑うと、その手に自らの手を重ねた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…