「ええ」 ―――何かあるのね。 セシルは微笑み返しながらそんな事を思った。 「よし」 セシルはキッチンの片隅に置いてある、もう何年もの間使われていないだろうボロボロのバケツに目が止まった。 「汚いわね」 手に取りながら嫌そうにそれを眺めると、セシルは呟いた。