満ち足りない月





「本当にすまない…」


ラルウィルはもう一度丁寧に謝った。

そんなラルウィルにセシルは慌てた様子で手を振る。


「いいのいいの。本当に気にしないで。それにここにしばらく泊めてもらえるんなら食料なんかに困らないし」


セシルはなるべく明るく話そうと努めた。

理由はほかにもあるけれど…
なんて事を考えながら。


ラルウィルはハハッと口を開けて笑いながら「そうだな」と呟くように言った。

今日はずっと苦笑しているような笑顔だったが、ようやくそれ意外の笑みを見れた気がしてセシルは少し嬉しくなった。


「そう言えばあの黒い服を着たあの二人、ヴァンパイアなの?」

セシルはふと気がついて聞いてみた。