満ち足りない月





「いや、いいよ」

ラルウィルはまた微笑んだ。


「そういう定めなんだろうな…」


ふと言葉を漏らすラルウィルを見たがそれがどういう意味を表すのかは分からなかった。


「とにかく」

ラルウィルは話が変わった事が分かるように声を強めた。


「君をこの俺の逃走劇に巻き込んでしまったようだ」


逃走劇、か……
私もその通りなんだけどな。

セシルは彼に見えないように口元を緩めた。