そして放課後―…
翔が部室へ入るのを確認した翼は、普段と変わらぬ様子を装い、部室に入った。
そして、練習ジャージに着替えている翔に、平生の調子で話し掛ける。
「よう、翔。」
肩をポンと叩くと、翔が振り向く。
「最近、調子はどうなんだ?」
続けざまに質問すると、翔はこちらを探るように見据え、
「まぁまぁだけど…」
と、曖昧な返事をする。
目線は、翼のボロを見つけ出そうとしているかのように動いている。
まずい…
怪しまれたか?
普段、翼が自分から他人に話し掛けることは珍しい。
怪しまれたのなら、計画の実行が危ぶむと考えた翼は、
「そうか。」
とだけ返事をし、会話を終わらせた。
そして、どするかと思案し始める。
そんな翼に話し掛けたのは、他でもなく翔だった。
「あのさ…翼。」
探るような翔の声に、ギクリと体が強張るが、
「ん?どうした?」
必死に平静を保つ。
「颯太から…なんか聞いた?」
その言葉を聞いた瞬間、内心で安堵する。
怪しまれていたのではなく、颯太が自分に告げ口をしていないかが気になっていただけか…


