「……復讐してやる。」
ポツリと呟いた颯太の言葉に、翼の表情が曇る。
「鬼に翔を襲わせるんだ!あいつがやったみたいに、罠にはめて!じゃないと気が収まらねぇよ!」
怒りに満ちた表情で言い散らす颯太。
「颯太、復讐なんてやめとけ。」
心配そうに翼が宥めるが、今の颯太にとっては逆効果だった。
「なんでだよ!放っておけば、また誰かがやられるんだぜ!?それに、今まで犠牲になった奴らだって報われねぇ!」
颯太の意見は尤もだ。
しかし、翼は冷静に自分の意見を話す。
「それでも、チームメートに復讐なんて間違ってると思う。今まで、一緒に頑張ってきた仲間なんだぞ。」
「だけど、あいつは仲間を裏切って…」
「鬼に襲わせるなんて、鬼城が俺達にしていることと同じだ。」
「違う!」
即座に言い返すが、勢いだけの否定で、自分の言葉に対する自信は全く無かった。
「違わない。落ち着け、颯太。翔を止める方法は他にもある筈だ。」
「例えば、どんなんだよ?」
半信半疑の颯太が、訝しげにきいた。
翼は少しの間目をつむり、考えるような、決心するような表情で再び目を開いた。
「俺にチャンスをくれ。今日の放課後練習で翔を説得してみる。」


