しばらくの沈黙が続き、颯太の手当てが殆ど終わった時だった。



ガラッ―…



部室のドアが開き、ある人物が恐る恐る顔を出した。



「あっ!牧野くん!遠藤くんも…!」


「皆川?」



女子とは部室が別になっていて、お互い行き来することは少ないのだが、ドアから顔を覗かせたのは、紛れもなく皆川響子だった。



「良かった…。集合が掛かっても顔が見えなかったから、心配したの…」



響子は、安心したように息をつき、胸を撫で下ろした。



「あぁ、颯太の手当てをしてて…」


「手当て?…あ!遠藤くん、酷いケガ!」



響子は首を傾げて部室に入り、颯太を見た瞬間サッと青ざめた。



「大丈夫。翼のお陰で血も止まったし、心配無用だ!」


「ほんと…?」



颯太が明るくそう言っても、響子はまだ不安げに彼に巻かれている包帯を見つめていた。



「ほんと、ほんと。」



ニッコリ笑う颯太を見て、響子はようやく包帯から目を離した。