「どうしたんだよ、颯太?」



翔がこの場を離れ、やっと落ち着いた颯太に翼は話し掛ける。



「どうしたも…こうしたもねぇよ。アイツは…翔は、裏切りやがったんだ…!」


「裏切った?翔が?…一体、何があったんだ?」


「あんにゃろう…っうぐ!」



そこまで言うと、颯太は傷の痛みに顔を歪ませた。



「とにかく手当てが先だ!」



翼は慌てて、颯太を担ぎ、部室の方へと向かった。

集合の笛が鳴る音が聞こえたが、無視をして、部室に入る。

翼の中での優先順位は、元より決まっているのだ。



ガタンという音と共に、奥の方から少し埃をかぶった救急箱を持って来た。

本来、マネージャーが管理している物だが、この様子からして、しばらくの間使われていなかったようだ。


翼は、箱から消毒液や包帯を取り出し、手際良く颯太の手当てをする。



「手際いいなぁ。お前は、まじで何でもこなしちまうな。完璧人間 翼くんか。」



手当てを受けながら、颯太が感心し切った声で…

しかし、冗談も交えながら言った。