「ふん!まぁ、いいだろう。」
そう言って、翼をもう一睨みしてから、鬼城は集合した生徒達の方へと向き直った。
そんな鬼城を、翼はずっと睨んだままだ。
「ああいう時は、形だけでも謝っとけって。」
反抗的な態度ばかりをとる翼を心配して、颯太がこそこそと話し掛けてきた。
「……。」
「バカ正直に立ち向かってくと、いつかまじで殺されちまうぜ。」
黙り込む翼にそれだけ言うと、颯太は話を止めて鬼城の方へと視線を戻した。
「颯太の言う通り。ポーカーフェイスってのを身につけるんだな。」
翔もそれだけ言うと、颯太に倣い、鬼城へと意識を集中させた。
ポーカーフェイス…
そんなの出来る訳がない、と翼は思った。
恨む相手が目の前にいるというのに…


