まだ少しハッキリとしない視界が、翼の不安と焦りを煽る。

眉間にシワを寄せ、ピントを合わせようとするが、やはり上手くはいかない。



「グッグッグルルー…」



鬼が喉を鳴らす音が聞こえる。

まるで、翼をどうやって殺そうかと思案しているかのように、様子を伺っているのだ。







くそっ…!

このままじゃ、やられる!


どうすれば…

どうすればいい!?




俺は、まだ死ぬわけにはいかないんだ!

絶対に生き残る!



約束したんだ!


あいつと…






『絶対、生き残って!私、死んじゃってからも、あっちで翼のこと応援し続けるから!』




翼の頭に、あの日の会話が浮かんだ。







そうだ。

あいつの分まで、俺は生きなくちゃ駄目なんだよ!

あいつはきっと、今も、天国から応援してくれている筈だ。


死んでたまるか!!



俺は…



俺はあいつの為に…!