《ピィーッ》




甲高い笛音を力強く放ち、鬼城は散り散りになっていた部員を集合させる。

その中にはもちろん翼や颯太、翔や響子といった面々も含まれている。

皆、それぞれに不安げな表情をしているが、やはり翼だけは喧嘩を売るような目つきで、鬼城を見据えるのだった。

そんな翼を、鬼城は一睨みすると、視線を部員全体に戻した。



「遅刻、欠席は?」



はやる気持ちを抑えて、いつも通りに事を進めていく。



「いません。」



副部長の響子が即座に応える。



「では、これより朝練を開始する。…が、その前に。」



そう付け足した瞬間、部員達の表情が強張った。

鬼城はそれを見て、早く続きを言ってしまいたい衝動に駆られたが、わざとゆっくりと焦らすように話し出す。

愉しみは、じっくりとなぶるように楽しみたい性なのだ。



「お前達に、罰則を与えるんだったよな。」



ニヤニヤと上機嫌で、部員一人一人を値踏みするように見ていく。