次の日―…






鬼城は、抑え切れぬ程の気持ちの高揚を感じていた。

いつも以上に、部活動の指導にあたる事が愉しみで仕方がなかった。



その理由の一つは、昨日言葉を濁したままに終わった罰の内容を発表し、その恐怖におののく部員の表情を見られるからだ。

恐怖を浮かべた顔を鑑賞するのは、鬼城にとっての絶好の食事だ。

もはや、鬼城の心身は、その表情を見ることによって供給されるエネルギーを主として動いているようなものだった。


悍ましく、周囲から疎まれる嗜好だということは、本人も百も承知だが、この快感は止められない。

病み付きなのだ。




そして、もう一つの理由だが、停滞した脱落者(つまりは、死亡者のことだが)の低下を再び促すことができると確信しているからである。

昨日のような、全部員が生き残るといったつまらぬ事態はもう起こらないだろう。

もしかすると、脱落者は今までの倍以上になるかもしれない。


考えただけで、腹の底でざわざわと暗雲が渦巻くような嬉しさが沸き起こるのだった。