しばらくすると肩から腕を退かしてくれ、再び暗い夜道を歩き出す。



「そうだ。そういや、今日の昼休み何してたんだよ?」



練習の時には、答えを聞き損なった質問を再びぶつける颯太。

別に隠す必要はないし、むしろ教えておくべきだと思い、翼は軽い調子で話し出した。



「あぁ、昼休みは皆川と話してたんだ。屋上で。」


「皆川って、女子の副部長の皆川 響子か?」



もちろん、と短く答えて、翼は屋上での会話を颯太に伝えた。


話のまにまに颯太は驚きの声を上げたり、目を見開いたりしたが、質問で話を止めることはせず、真剣な表情で翼の話に聴き入っていた。












一通り話し終えた後、颯太が、溜め込んでいた質問を吐き出すように、続けざまに問いを投げかけてきた。



「鬼って…まじで鬼だったのか?」


「言っただろ。皆川は鬼の姿を見たんだ。」


「だけどよ、この現代社会に鬼なんて…」


「俺も見た。今日の放課後練習で。皆川の言った通りの容姿だった。」