「やったな、翼!」
颯太も嬉しさを隠せない様子で、話し掛けてきた。
そして、翼にさえ聞こえるか聞こえないかくらいの小声で、
「鬼城の奴、悔しがってるぜ、きっと。」
と、付け足した。
「だな。」
翼もニヤリと笑って答えた、その瞬間、鬼城の怒声が響いた。
「静かにしろ!!」
その一言で、そこにいた全員が口を閉ざし、辺りはシーンと静まり返った。
鬼城は部員一人一人をじっとりと睨む。
鬼のように鋭い目をギラリと向けられては、まるで蛇に睨まれた蛙の状態だ。
その目に捕らえられれば、体は石化し、何も言えなくなってしまう。
「部活動中、私語は慎むように言ってある筈だ。」
もちろん、誰一人として言い返すことはできない。
「罰が必要だな。」
思い付いたようにぽつりと言った鬼城の言葉に、背中に寒気が走った。
また最悪なことを考えついたに違いない。
翼はそう思い、鬼城を睨む。
次は、何をしようと言うのか…


