地上に下りた時には、死なない程度の落下速度に十分達していた。

たんっ、と地上に着地し、柱に巻き付けていたジャージを元通りに着なおす。



…―よし!



地面に足が着いたことで、ようやく成功への確信と安心を持った翼は、チラリと鬼を見遣った。


鬼は特別棟の校舎の上で、グルグルと喉を鳴らしながら悔しそうにこちらを見ている。

どうやら、流石の鬼とあっても、この高さから飛び降りることはできないらしい。



翼は勝ち誇った笑みを鬼に向け、再びゆっくりと走り出した。


もしも階段を使い、ここまで降りて来たとしても、これ程までに差をつけることができたのだから、鬼に捕まる確率はないに等しかった。






時刻は、6:50。


放課後の練習は、終わりを迎えようとしていた。