青ざめた表情で話す響子に、翼は信じきれないことを理由に質問をぶつける。



「本当に鬼…だったのか?」



コクリと頷く響子。



「そんな…。…どんな姿だったんだ?」



見間違いかもしれない。

鬼のように大きくて、少し肌が赤い人を見たのかもしれない。


そんな有り得ない最後の期待を込めて、翼はさらに問いただした。



「青い肌で、それで…、頭からは、二本の黄ばんだ角が生えてて…。あとは、とにかく大きかった。二メートル…、ううん。それ以上かもしれない。」



恐怖に怯えながら響子が話した内容は、翼の僅かに残っていた期待を、見事に打ち砕いた。


翼も、今度ばかりは、鬼ごっこの鬼が、“鬼”であるという真実を受け入れるしかない。