昼休み。
響子との約束の為、翼は屋上へと向かっていた。
《ギィーッ》
錆び付いたドアノブを回すと、軋みながら扉が開いた。
「あっ!牧野くん!こっち。」
不意に響子の声が聞こえ、扉をくぐると、辺りを見回す。
すると、ある一角のフェンスに寄り掛かり、こちらに手を振っている響子の姿が目に映った。
翼はすたすたと近づいて行く。
翼が目の前まで行くと、寄り掛かっていたフェンスから離れた。
そして、両手を胸の前で組み合わせて、不安げに話し出した。
「ごめんね、わざわざ来てもらって。だけど、牧野くんには伝えておきたくって…。」
「別にいいけど。…で、伝えたいことって?」
「それなんだけど…」
そこまで言うと、響子は辺りをきょろきょろと見回す。
かなり周囲を警戒しているようだ。


