「鬼城か?」
颯太の言葉に、翼の眉がピクリと動く。
「やっぱりな。」
翼の反応から確証を得た颯太は、浅い溜息を一つつくと続けた。
「なぁ翼。鬼城を恨む気持ちは分かるけど、少し冷静になれよ。そんなんじゃ、すぐにやられちまうぜ?」
「分かってる。これでも必死に抑えてるんだ。」
「翼は俺達の希望なんだ。陸上部の期待の星だ!」
颯太は真剣な顔を少しずつ崩し、ニヤニヤとした表情になる。
だんだんと、いつもの噂好きでお調子者の性格が出てきた。
「奇跡が生んだ存在!黄金の脚!あとはー、そうだな…、神の子!いや、神をも超える存在だ!」
それを聞いていた翼は、颯太の大袈裟な言い方に、思わず表情が柔らかくなる。


