そして、放課後。




翼はあれから一言も颯太と話してはいない。

休み時間になると颯太は何処かへ姿をくらませ、始業のチャイムギリギリで教室に戻って来るというのを繰り返していたからだ。

二人の間にぎこちない空気が流れている。




いや、二人だけではない。

グラウンドに集まった部員達は、なんとなく作戦続行に挙手した者とそうでない者に別れて固まっている。

しかしそのグループ内でも会話がある訳ではなく、緊張や不安とはまた違った居心地の悪さが全員の口を閉ざしていた。



また、各々で戦わなければならないのだ。

いや、各々でというなら最初の頃の方がまだ気が楽だった。

確かに出来てしまった派閥と、それによってもしかしたら裏切られるのでは?という余計な不安と共に鬼に立ち向かわなければならないのだ。


迂闊に誰かに話し掛ける事は出来ない。


皆がそう思って、静かに辺りを伺っていた。




より一層の恐怖と孤独感が心を冷たくしていた。