「生き残ろうとしねぇと生き残れねぇよ!それをこの部のエースが諦めるな!思ったとしても、お前がそれを言葉にしちまったら俺たちはそれこそ希望を失っちまう!」
「颯太……。」
「作戦がダメになったからってなんだよ!鬼が増えようが、あいつがまた新しい罠を仕掛けてこようが生き残るって、生き残ろうって、たとえ可能性が無くてもお前はそう言って俺らを引っ張ってくんだよ!だから、翼、お前だけはどうせ死んじまうみたいなこと言うんじゃねぇ!」
そう一気に捲し立てる颯太を、翼はただ呆然と見ていた。
自分の言葉一つ、行動一つにそこまで他人を動かす力があるとは俄に思い難かった。
いつも、ただ自分が正しいと思う事を行動にし、己の正義を貫いてきただけの自分に、群れのリーダーのような気質は無いとばかりに思っていた。
しかし、颯太はそれを許さない様だった。
「生き残るんだろ!果たせよ!俺との約束も、沙耶ちゃんとの約束も!」
沙耶という名前を出されて、胸の奥が痛みと共にズクリと動いた。
翼が眉を顰めると、反論されると思ったのか颯太はもう一言何かを言いかけて口を結び、大股で教室の方に行ってしまった。


