予鈴が鳴った。
「はいはい、んじゃ解散〜。」
殆どの部員が出ていったが、3人だけが部室に残っていた。
しばし沈黙が流れて、颯太が意を決した様に口を開く。
「……悪いけど、みんな死にたくねぇんだよ。俺も……、翼だってそうだろ?」
「それは……そうだが。でも……。」
そこで言葉を切って、何かを飲み込むように一度口を閉じる。
「いや……。颯太、ありがとな。お前の判断が正しかったと思うよ。あのままじゃ、なにも進まなかった。」
すると、颯太は目を丸くした。
「怒らないんだね〜。」
驚いて固まっている颯太の気持ちを読んでか、木崎がゆるりと言った。
「皆川さんのこと助けたいなら、無理やりでも作戦続行させとくべきだったんじゃない〜?」
「……俺の個人的な感情で、部員を危険な目に遭わせる訳にはいかない。それくらい、分かってるつもりだ。」
ゆっくりと噛み締めながら話す翼は、自分自身に言い聞かせているようにも見える。
「ふーん。ま、それが正解なのかもね〜。俺も教室戻るわ。」
相変わらずのマイペースだ。
聞きたい事をきけたのか、木崎はさっさと部室を出て行った。
「颯太も。戻ろうぜ。」
「……おう。」
なんとなく気まずい空気が流れて、いつもの軽口が出てこない。
翼もどう接すれば良いものか斟酌して、無言になってしまう。


