朝練を終えた翼達は、部室へと戻り着替えを済ませると、授業に出席する為にそれぞれのクラスへと向かう。


毎朝 命を懸けて逃げているというのに、それが終われば呑気に授業を受ける、という非日常の中の日常になんだか笑える。


そんなことを思いつつ、教室へ向かう廊下を歩いていると、後ろから名前を呼ばれた。



「あ、あのっ…牧野くんっ!」



後ろを振り返ると、そこに立っていたのは、女子の副部長を務めている皆川 響子だった。



「……なに?」



翼が短く返すと、響子は少し怯えながらも、話し出した。



「あ、あのっ……その……、話したいことが……あってね……。」


「話したいこと?」


「うん。それで……その……、ここじゃ話しにくくて……。」