「ハッハッ!ハッ……ハァハッ!」





後ろを見遣ると眉を顰め必死に走る皆川と、自分達を追う鬼の目が薄暗い中でキラリと光っていた。

今のところ鬼達の射程距離から外れているようだが、油断は出来ない。

奴らはじっくり品定めをしたり、狩りを愉しんだりする事もある。

今もどうしてやろうかと舌なめずりをしているのかもしれない。

出来ることならもう少し距離を取りたいが、彼女にそれを強いるのは難しそうだ。







「助田!」





一人目の部員が見えた。






「どうなってんだ?2人で囮か?」






翼達と並ぶと、助田が混乱した顔で問う。






「いや。説明してる暇がない。助田はとにかく次の階段で逆方向に走れ。鬼の後ろに颯太がいるから詳しくはあいつに聞いてくれ。」






「わ、わかった!」






唯ならぬ雰囲気を感じ取ってか、助田は慌ただしく階段を駆け上がって行った。






あと一人。






「皆川、大丈夫か?」






「ハッハッ……ハッハッ!」





返事は無いが、こくりと頷いた。