「ハッハッ……っ!ハァ……ハッハッ!」
自分でもこのままではいけないことは解っていた。
藻掻く様なバラバラのフォーム、恐怖で唾が飲み込めず途切れる呼吸。
このままでは、確実に追いつかれてしまう。
それでも、響子は震える脚で必死に走り続けていた。
彼女は理解していたのだ。
遠藤颯太を無視して自分を追ってきた鬼たちを見た瞬間、やはり自分だと思った。
あいつらはリレーのメンバーを今も狙い続けているのだと。
「……っハァハッ!……っぅぐ、ハッハッ!」
恐怖心から勝手に涙が出る。
それが余計に呼吸の邪魔をするのだが、自分ではどうしようも出来ない。
ーー怖い!
今度こそ自分は死ぬんだ。
今、一瞬でも力を抜けばもう助からない。
死にたくない。
けど、このまま生き残り続けるのも怖い。
どうしよう……
もう……
ぼんやりとそんな考えが浮かび、無意識に深く息を吐き出した時だった。
「皆川ぁー!!」
力強く自分を呼ぶ声がした。


