グラウンドにはもうすでに半数以上の部員が揃っていた。
いつもなら笛が鳴ってから集まる事が多いが、鬼城から少し距離を置いた所でいくつかのグループを作ってその時を待っていた。
そわそわと落ち着かない様子で校舎から出てくる部員を眺める者、小声で互いの情報や意見を交換している者。
待ち方は様々であったが、皆が期待という生温い雰囲気の中に居た。
ピィー!と鋭い笛が鳴ると、部員達は弾かれたように鬼城へと視線を向けた。
翼達も駆け足で黒いジャージの元へと急ぐ。
「生存確認をとる。呼ばれたら返事をしろ。」
落ち着かない部員達をじっとりと見回しながらも、声音はいつもと変わらない。
翼達はもちろん、集合した時点で鬼城も結果が判った筈だが、何の変化もない。
つまらなそうにするでもなく、怒る訳でもなくて、ただねっとりと這うような視線と声音だけを発している。
「稲葉。岸本。立川……。」
呼ばれた部員が次々と返事をする。
「以上、今日の生存人数は……21人。女子5人、男子16人だ。以上!解散!」


