捕まったらどうなるのか…

その問いの答えを、鬼城は、口角を少し上げ、どこか部員達の反応を楽しんでいるようにして言った。



「鬼ごっこでは、鬼に捕まった者はどうなる?」


「お、鬼に…なります。」



響子が震える声でそう答えると、鬼城は満足気に頷いた。



「そうだ。だが、お前らにやってもらうのは、鬼ごっこであって、鬼“ごっこ”ではない。」



鬼城の言葉は、妙に“ごっこ”という部分を強調していた。

その言い方に違和感を覚えた翼は、嫌な予感がした。

顔色から見るに、他の部員達も、まさか…、と思い始めているようだ。



「先程言った筈だ。お前らには、命を懸けてもらう、と。」



改まったように少し早口でそこまで言うと、鬼城は再び口調を緩めて、恐ろしい言葉を陸上部全員に向けて放った。