「決まっているだろう。」



鬼城は皆川に一歩近付くと、わざとらしくニヤリと笑い、恐怖心を煽るようにして言った。






「鬼だ。」




鬼…?


まさか本物の鬼が、この現代に存在するはずがない。

何かの比喩として言ったのか…

しかし、この男がそんな遠回りの言い方をする様には思えない。

会ってものの数分で何がわかると言うかもしれないが、それぐらいの空気を読むことぐらいはできた。





真意は掴めないままに、皆川は質問を続けた。




「も、もし…捕まったらどうなるんですか?」




鬼城以外のこの場にいる全員が気になっていたことだ。

命を懸けた、と鬼城は言ったが、果たしてどこまでが本気なのか…


初対面の翼達には、鬼城の考えていることが全くと言っていい程 読めなかった。

いや、鬼城が自分達を馬鹿にしている、という点では、むしろ、痛い程にその考えが読めたのだが…

その他は解る筈もない。