「朝練だけで9人も……?嘘だろ?」




ポツリと口を開いたのは颯太だった。




「なぁ……俺たちは今まで逃げ切ってきたんだぞ?なのに……こんな……!」





「落ち着け、颯太。」




歯を食いしばって拳を握る姿を見て、翼は冷静になる事が出来た。

自分だけは変わらず冷静であらねばと思い、落ち着いて物事を整理し、まだ立ち尽くす部員達にも聞こえるように話し始めた。





「確かに鬼の数は変わっていない。だけど、戦法が変わったんだ。今まで奴らは単独で狩りをしていたが、今日は違った。三体で一人の部員を追っていたんだ。」





静まり返っていた辺りからハッと息を飲む気配や微かなざわつきが聞こえた。

翼は続ける。





「さらに、奴らは協力し合って挟み撃ちにして相手を追い込む事も出来るらしい。そうして、確実に人数を減らしてきてるんだ。」




「そんな!」




「どうすりゃいいんだよ!」





動揺が生んだ混乱が伝染し、叫ぶ者もいる中、翼はやるしかないと思った。

今まで個々で戦ってきたが、鬼城はそうしなければならないとは一言も言っていない。

翔の件から、2人で走ることはルール違反では無い事も分かっている。

つまり、自分達がこれからする事は決まっている。





「俺達も協力し合うんだ。」