深く刺さった爪はそのまま体を振り回し、翼は教室の壁に強く打ち付けられる。




「ーーっつ!!?」




ズルリと壁にしなだれ掛かるようにして崩れ落ちた。

じわじわと這い上がってきた痛みに、ようやく何が起きたのかと頭が起動し出す。



そうだ、鬼は三体いて……



入口の鬼は未だにこちらの様子を窺うように廊下を彷徨いているが、頭上に大きな影がふと落ちてきた。

もう一体が、教室の窓側、つまりはあの渡り廊下から中庭に出て挟み撃ちにしてきたのであった。




やられた。

あいつにばかり気を取られていた。

くそっ。




「グアッグルルルー……。」





お決まりの文句を言うように、鬼は喉を鳴らす。

鈍く光る鋭い爪が翼の眼前まで迫る。






もう、ダメだ。


逃げられない。






諦めの気持ちから無意識に目を閉じてしまう。

血腥い、おぞましい匂いまでわかる程に迫ったその時であった。







キーンコーンカーンコーン……








終わりを告げる鐘が鳴り響いた。