地区予選の結果を鬼城は満足気に眺めていた。







男女共に昨年の成績を遥かに上回り、各種目の入賞者の数は創部以来過去最高の記録となった。

学校の教師達はもちろん、地元の新聞でも話題となり、短期間でここまで陸上部を成長させた敏腕コーチ、熱心な指導の賜物、そんな謳い文句と共に鬼城はまつりあげられていた。




インタビューは鬱陶しいが、世間からの好感は買っておくに越したことはない。





全てが順調に進んでいる事に、やはり自分は正しいのだという確信と、この正しい指導をもっと進めてやろうという意欲が湧く。






口端を歪ませ、薄気味悪い笑を浮かべる鬼城の顔は正に鬼の如くであった。