理解できないといった表情をする翼達部員を、蔑むような冷徹な目で見ると、鬼城はもう一度言い直した。




「命を懸けて逃げてもらう。」



「先生!それってどういことですか!?命を懸けるって……。まさか本当に……?」




勇敢にも、鬼城にそう問い掛けたのは川瀬 鳴海(カワセ ナルミ)だった。

生前、彼女はクラスでも委員長を任されるなど、リーダーシップのあるハキハキとした女子だった。


鬼城は彼女を頭の悪い虫けらでも見るように睨むと、眉間にシワを寄せたまま答えた。




「一度で理解しろ。命を懸けた鬼ごっこだ。」



「そんな……、意味が解りません!」




しかし、鬼城は川瀬の声など聞こえていないかのように、ルールを説明しだした。