グラウンドには鬼城を中心とした円が既に出来上がっていた。

響子もその円に加わっていて、辺りを不安げに見渡している。



「皆川!無事だったか!」



後ろから聞こえた声にハッと振り返ると、颯太が軽く手を上げて近付いてきた。



「遠藤くん……。」




探していた人物ではなかった事に肩を落としながらも、見知った顔に気持ちが緩む。



「大丈夫だった?遠藤くん、怪我してたから……」


「あぁ、なんとか。それよか、翼の奴見てねぇ?探してんだけどさ。」



円をぐるりと見渡す颯太。



「わっ、私も!探してるんだけど、見当たらなくて……」



颯太の頭に良くない想像が膨らんだ。



「あいつ、今日は翔と一緒に走るって言ってたんだけど……翔も見当たらねぇや。」


「も、もしかして……!」



響子の顔がサッと青ざめる。



「いやいや、うちのエース二人に限ってありえないって。俺、ちょっと見てくるわ。鬼城には上手く言っといて。」



そう言って響子を落ち着かせると、颯太は校舎の方へと駆けて行った。