「……な?!」
背を向けて走っていた所へ追い付き、横へ並ぶと、驚きで見開かれた翔の視線がぶつけられた。
だが、直ぐさまに目は細く縮まり、眉間に皺が寄せられた。
「生きてたのかよ。」
返事はしない。
焦りからくる苛立ちで、何もかも鬱陶しく思えた。
相手が、先程あんなことがあった翔なのだから尚更だ。
「あの状況どうやって?」
「逃げ切れたら答える。」
そう言うと、翼はぐんとスピードを上げて翔から離れた。
膝が笑うように震えるが、翔に構ってなどいられなかったし、裏切り者と喋る程の心的余裕などなかった。
しかし、鬼の存在に気づいたらしい翔もまたスピードを上げ、結局は並ぶような形に戻ってしまう。
「おい!あれ!」
お前のせいだとばかりに翔が声を荒げて翼を睨む。
「翔が蒔いた種だろ。」
「…っ!くそっ!」


