「知ってたんだろ?なぁ?俺がやってきた事。どうせ颯太から聞いてんだろ。」
翼は何も答えなかった。
いや、答えられなかった。
むしろ、翔の声音は返答を求めてなどいない風な口ぶりだ。
案の定、話は淡々と進められる。
「翼も人がワリイよな。嘘ついてまで自分の実力を知りたかったのか?それとも何か?俺を説得して、更正でもさせようとか思ってんのか?」
翔の的を得た言葉に、翼の表情が曇る。
「ハッ、アタリかよ。」
荒く言葉を吐き捨て、鼻で笑う翔。
翼は何も答えず、沈黙が流れた。
しばらくして、翔が再び口を開く。
「悪いなんて思ってねぇからな。」
それは今まで発したどの言葉よりも鋭利なものだった。
あまりの鋭さに、翼が思わず顔を向けた程だ。
「……翔。」
重い口を開き、ようやく一言呟いた。
咎めるような翼の口調に、翔は眼をキロリと光らせた。


