儚キ想イ

(星…きれいだな…)

　何気なく見上げた窓にはキラキラ輝いているたくさんの星たち。

吸い込まれるように窓辺へ近寄る。

下から声が聞こえてきた。

(…………………ぇ………？)
　そこに居たのはまぎれもなくなつとナギだった。

(どうゆうこと……？)

　２つにされた心臓が激しく鳴り始めた。

ナギといたときとは違う鼓動でそのときよりももっとうるさく、早く……自分では止められないぐらいだった。

｢………見てられないっ｣

　何故かなつとナギのところにいかなければならないと感じた。

気がついたときにはもう玄関の一歩前までついていてドアノブに手をかけて…握りしめていた。

(なつ…何言ってるのかな…)

｢……き……い！｣

｢家の………何……｣

｢でも………！！！｣

　だんだんと大きくなる声に私は我慢ができなくなり…

地獄を自ら開けた。

　外にでた瞬間に空気が凍りついた。

｢……どうしたの？こんな夜に…｣

　平然なんて保ててない。
額には冷や汗、握りしめたドアノブにかけてる力も自分ですらわかっていないから。

｢あ……最近シノが元気ないからナギ君に聞いてたの…｣

｢…………｣

　ナギぎは下を向きながら歯を食いしばっている。

なつは…心配そうな顔を私に向けてくれている。

私は…………。

｢あ！そんなに心配しなくても大丈夫だよ!?もう元気｣

｢そんなわけない！｣

｢へ!?｣

　今までなつといた時間の中で聞いた一番強い言葉。

｢シノはいっつも何か考えてる顔してる！私は見てるんだよ!?友達なんだよ!?｣

｢………………｣

｢だから辛いなら話ししてよ！私がシノといる意味がわからないじゃん！｣

｢……ごめん…ありがとうね?｣
｢………ぅん……｣

　なつがこんなに優しい子だったなんて…今更思わされる私がどうかしてるな…。

ナギのことばかり考えてて周りが見えているようで見えてないなんて…。

｢今日は……もう帰ろ？｣

｢うん…｣

｢２人とも…気をつけて…｣

　なつとナギは別方向に進んでいった。