『都会の喧騒を忘れるって、こういうことなんだろうね』


「そーだね」


『神崎さん、うるさーい世界に住んでそうだから、なおさら感じるんじゃない?』


「確かに。でもお前もうるせーとこに生きてんじゃん」


『まぁね』






私達、似てるかな?と聞いてきた杏奈に、ちょっとだけな、と返す。

彼女は終始声を弾ませて、俺の2、3歩前を歩いた。